今年も日本発:世界ポリオデー2019

10月24日の世界ポリオデーには、世界中で昨年を大きく上回る5600件以上のイベントが実施されました。国別では、ポリオ予防接種に対する一般の関心が高いブラジルで最も多い1257件、続いて米国の805件、ナイジェリアの779件となっています。日本からも108件のイベントの情報が寄せられ、全国で赤い「END POLIO NOW」のシャツを着た大勢のロータリー会員がポリオ根絶の募金や認識向上に奮闘しました。

今年、日本で行われたポリオ根絶活動をいくつかピックアップしてご紹介します。

第2770地区(埼玉東部)
ポリオサバイバーである小林操ガバナーのポリオ根絶に対する強い思いを受け、地区内の全74クラブが世界ポリオデーにイベントを実施しました。駅前での募金活動、街頭コンサート、ポリオサバイバーによる講演、ビル壁面スーパービジョン、プロジェクションマッピングなど、多岐にわたるイベントでポリオに対する認識を大きく高めただけでなく、世界ポリオデーの募金総額は地区全体で約350万円となりました。10月24日当日は、小林ガバナーが応援のためいくつかのイベント会場にかけつけ、地元メディアからのインタビューにも対応。地区が一体となってポリオ根絶に取り組んだ充実した一日となりました。「ロータリーはポリオ根絶まで、決して諦めない」と小林ガバナーは述べています。

神戸南ロータリークラブ(兵庫)
8月25日、神戸ハーバーランド内スペースシアター特設ステージにて、ポリオ撲滅を目的としたエンドポリオへの認識向上と青少年の文化促進をマッチングさせたイベント「END POLIO ダンスフェス」が開催されました。当日はおよそ1500人が来場。出場したダンスパフォーマーは約600人、ボランティアスタッフは約30人、ロータリアンは20人と、大勢の参加によるビッグイベントとなりました。ステージ出演者や関係者は「あと少し」を合い言葉にビデオメッセージ(以下の動画参照)に協力し、編集後 SNS 等に公開しました。このイベントを通じて、健康で活発に自己表現ができる喜びを若者たちに感じてもらうと共に、世界にはまだポリオに脅かされている子どもがいることへの関心を促すことができました。

第2510地区(北海道西部)
10月21日(月)、「ポリオ根絶チャリティー寄席」が札幌市豊平区にある慧林寺で開催されました。桂 枝光師匠の落語3席(酒の粕、天狗さし、雁風呂)と吉本興業の札幌事務所から「すずらん」のお二人の漫才が間に披露され、落語と漫才に大きな笑い声が本堂に響き渡りました。地区ポリオプラス委員長が来場者に向けてポリオ根絶に関する説明をしたほか、入口で地区ポリオプラス委員会が受付を担当し、募金箱に53000円ほどの寄付が集まりました。

碧南ロータリークラブ(愛知)
10月24日世界ポリオデーに午後7時から配信される「ポリオ根絶特別プログラム」配信動画鑑賞会を飲食店にて開催。店内設置のモニターで来店客と一緒に鑑賞し、ロータリークラブ公共イメージ向上のためのPRとポリオ根絶のための募金活動を行いました。

境港ロータリ―クラブ(鳥取)
11月4日(月祝)に地元観光地「水木しげるロード」でクラブ会員によるポリオ根絶のための街頭募金活動を実施。連休で観光客や地元商店街の方々から、多くの関心と協力が寄せられました。年明けの1月13日(月祝)にも同様の活動を計画しており、次回は配布資料や掲示ポスターも増やし、さらにわかりやすく充実した活動にする予定です。

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8月21日、ナイジェリアで野生型ポリオウイルスの症例が最後に報告されてから3年が経過し、来年にはアフリカ全土のポリオフリーが認定される可能性が出てきました。また、今年の世界ポリオデーには、野生型ポリオウイルス3型が根絶されたことをWHOが発表。2型は2015年に根絶されたため、残るは1型ウイルスのみとなります。

ポリオに脅かされる子どもが一人もいない世界が実現するまで、粘り強く活動を続けていくことが重要です。声を張り上げて募金活動にご参加くださった皆さま、工夫を凝らして認識向上に努めてくださった皆さま、またEndpolio.orgからイベント情報をお寄せくださった皆さまに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

ありがとうございました!

(執筆担当:時山)

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ハミド・ジャファリ(WHO東地中海地域ポリオ担当ディレクター) | 3月. 25, 2024