バイクでつなぐポリオ根絶への道
4月. 21, 2026
ライフワークとしてのポリオ根絶活動
退職を迎えたとき、「これからの人生で社会の役に立てることはないか」と、余生について真剣に考えました。転機となったのは、『ロータリーの友』2019年12月号で知った、チームポリオジャパンの経口ワクチン投与ボランティア活動です。
翌年1月19日、インドでのポリオワクチン投与デーに参加し、現地の現状を目の当たりにしました。そこで知ったのは、「ワクチン投与こそが、子どもたちの健康のための最高のプレゼントである」ということでした。
ポリオ根絶の鍵を握るのが「経口ポリオワクチン」です。これは最小限の費用で、最大限の予防効果を発揮するワクチンです。一人ひとりの支援が、多くの子どもたちの未来と健康を守ることにつながります。こうして、ポリオ根絶を生涯のライフワークにすることを決意しました。
得意とするバイクの経験と技術を生かし、日本を一周しながら募金を行って、その資金をポリオワクチン投与に役立てようと考えました。ロータリーの哲学である「超我の奉仕」と「親睦活動」も、私の背中を力強く押してくれました。
End Polioのメッセージを全国に発信
旅のスタート地点は東京麹町ロータリークラブでした。1980年代の前半に日本からフィリピンでのポリオワクチン投与活動に参加した、歴史あるクラブです。そのことへの敬意を込めて、ここを出発点に選びました。ゴール地点は福岡東南ロータリークラブでした。
走行距離は約18,000km、メークアップで訪問したクラブは94クラブ、期間は2026年4月から11月までの8か月間。相棒となったバイクは「ホンダ・レブル250cc」です。
日本各地のロータリークラブを訪問する中で、メークアップ時には必ず「バナー交換」「3分間スピーチ」「バイクを囲んだ記念写真」を行いました。スピーチでは、いまだポリオが根絶されていない国、特にパキスタンの現状をお伝えし、ポリオ根絶に向けた募金活動を継続していく重要性を訴えました。
また、訪問先の皆さんとバイクを囲んで撮影する記念写真には、単なる記録以上の意味があります。ポリオへの関心を高めるとともに、会話と笑顔が生まれ、友情と信頼を深める大切なコミュニケーションの場となりました。日本地図を広げて訪問クラブにマーカーを入れる楽しみも覚えました。
クラブ訪問時には、バイクとウエアに「End Polio」のロゴをあしらい、赤いTシャツを着用して市街地を走行しました。この赤いTシャツはオフの日も着続け、街頭でポリオ募金を呼びかけました。
その活動は、ラジオ、新聞、FM放送など各種メディアにも取り上げられ、ポリオ根絶に関する啓発とロータリーの公共イメージ向上につながりました。
来年の1月10日には、4回目のパキスタンでのポリオワクチン投与活動に参加する予定です。
ロータリーの力とこれから
バイクでの列島縦断と全国のロータリアンとの交流を通して、あらためて実感したことがあります。ロータリーは、世界中で「学び、行動できる場所」であり、地球規模の奉仕活動を可能にする組織だということです。ロータリアンの友情は人を育て、人に元気を与えてくれます。
ロータリーがポリオ根絶を歴史に刻む日も、決して夢ではありません。世界中のロータリアンが本気になれば、「エンド・ポリオ」は必ず成功します。2026-27年度RI会長メッセージは「持続可能なインパクトを生み出そう」です。また、ロータリアンと市民が一体になることこそ会員増強の基本であると考えます。
これからもバイク募金活動を通じて日本中にアピールし、確かなインパクトを生み出していきたいと思います。