ポリオ根絶のため島一周576kmを自転車ではしる
4月. 14, 2020
By バーナード・ボン・シア(フィリピン、セブ・ロータリークラブ元会長)
2019年の初め、私たちセブ・ロータリークラブのメンバーは、セブ島でのポリオ予防接種率を上げるためのアイデアを出し合いました。前年の子どもへの経口ワクチン接種率が66%しかなかったためです。
フィリピンでロータリーのポリオ根絶活動が始まったのは40年前のことです。国内600万人の子どもたちに予防接種を受けさせるため、ロータリーはWHO(世界保健機関)とフィリピン保健省と協力しました。ポリオのようなワクチンで予防できる疾病の流行を防ぐには95%の接種率が必要とされ、それを達成するには親たちを説得する必要があると考えました。
2015年、私はポリオプラスへの60,000ドルの寄付を集めるという誓いのもと、米国アリゾナ州ツーソンで行われた自転車レース「EI Tour de Tucson」に参加しました。参加できたことは実に光栄でした。第5500地区主催によるこの取り組みには、ポリオ根絶のため、全米ほかさまざまな国からロータリーの自転車愛好家が集まりました。また、2019年には、セブ島を自転車で一周するイベント「Cebu Perimeter Ride to End Polio」を開催しました。ポリオ根絶を目指したこれら二つの思い出は、私の中でまるで昨日のことのように新鮮です。
セブ島のイベントでは20名のライダーを募集し、3日間で島一周576kmを走りました。一周走りきることで、私たちの島をポリオから守るという決意を示したかったのです。私たちの目標は住民にポリオプラスについて知ってもらい、募金を集め、子どもたちのポリオ予防接種を行うことでした。フィリピン保健省や地元の政府関係者と協力し、行く先々の地域社会で集団予防接種のイベントを行いました。
イベントは大成功をおさめました。自分たちでポリオ根絶のためのイベントを開催したいと考える方たちのため、ここに私たちがとった方法を記します。
• 地元で作った明るい色のジャージを着て、目立つように、できる限りグループで行動しました。
• イベントの2週間前から、島中の小売り店に大きな防水性の帆布で作ったお知らせやサインを貼り、興味を持ってもらいました。
• イベント開催地の公共団体や防疫係官と協力をしながら計画を進めました。会場ではピエロやエンターテイナーを雇い、予防接種を待つ子どもたちには小さなお菓子の袋を用意し、楽しい雰囲気作りに努めました。
• 5台のサポートカーに「End Polio Now」とワクチン接種の重要性を伝えるメッセージを書き込みました。
• 注意を促すために、先頭を走るトラックにスピーカーを取り付け、国内で良く知られた保健省作成のコマーシャルソングを流しました。続く2台のバスには広告版を取り付け、「End Polio Now」のロゴと次の開催予定地の案内を表示しました。
• 今後も関心を持ってもらい、さらに多くの人に広く知ってもらうためにも、予防接種を受けた家族に「この家族はポリオから解放されました」と書かれた布を配りました。
イベント開催のために地元公共団体や政府関係者と調整することは、何よりも重要となります。今回は40年前からパートナーシップを結んでいる保健省と協力をしました。保健省の役人や地域社会のリーダーと会い、ポリオを世界からなくすためにロータリーが果たすべき責任について説明し、協力機関との連携を円滑に進めるための要望を伝えました。彼らがロータリーの活動の重要性に納得し、共に喜んで協力していくための努力をすることは、いちロータリアンには大変なことですが決して難しいことではありません。
イベント期間中は毎日7時間、自転車をこぎ進めました。1日目に経験したアドレナリン効果が薄れ風も強かった2日目は、この行程の中で一番ハードな日となりました。しかし3日目には回復し、予想しなかった未舗装地帯も乗り切ることができました。すべての予防接種会場で、他のライダーが休憩している間に私は地域社会のリーダーに会うことができ、さらに注目を集めることにもつながりました。
私は疲労困憊したものの、同時に深い満足感に浸っていました。私たちはポリオプラスへ20,000ドルの寄付金を集め、訪れたすべての町で何百人もの子どもたちとその両親に、歓迎とともに迎えられたのです。自転車をこぐことに疲れ切った時、困難に直面して歩みを止めた時、多くの人びとの感謝と喜びの声が、私たちを前へと進めます。
私たちはこれからもポリオ根絶のため、ワクチン接種で予防ができる疾病をなくすため、ロータリーの使命を果たしていきます。もし私たちの自転車イベントに興味がございましたら、私たちのウェブサイト または フェイスブックを通じてご連絡ください。